top of page

" KIGO × Lightning " 30th Anniversary Tote



アメカジの楽しさ、カッコよさを提案し続けるLightning誌が30周年を迎えるにあたり、準備を進めてきたトートバッグが完成した。一見するとシンプルなだけのトートバッグだが、皮革業界の歴史に一石を投じるほど特別なバッグだ。



皮は、白い。

Lightning編集部の三浦さんから、生成りのダック生地のように白いブルハイドレザーでトートバッグを作れないかと相談されたのは、かなり前の話。


一昔前ならホルマリン系の劇薬などを使って白い素上げのレザーを作ることは珍しくなかったが、現在は環境に悪すぎるために禁止されている。ならばと顔料を塗って白くするのが一般的ではあるが、革の手触りや質感を楽しむことはできなくなる。やはり素上げのタンニンレザー(ヌメ革)で白を実現してこそLightning誌30周年を祝うのにふさわしいだろうと息巻いたものの、その実現は困難を極めた。



そもそも原皮はほぼ無色のタンパク質の網状繊維であり、目には白いものである。

これを全く染色せずタンニンで鞣すと、みなさんがよく見慣れた肌色のレザーが出来上がる。

あの肌色はタンニンやオイルの色によるものであり、皮の色ではない。


「肌色が飴色に、いい感じに経年変化してきた、、、」


と皆さんが愉しむあの色はそのタンニンやオイルなどが酸化したことによるもので、皮の色ではない。


少し話は逸れるが、

” 肌色の革=ヌメ革 ” と誤解されている方が多いが、これは誤りだ。

黒に染めても赤い顔料を塗っても、 ” 植物由来のタンニンで鞣された革=ヌメ革 ” である。


つまりヌメ革において一番薄い色は肌色であり、それより薄い『白い』ヌメ革というのは、常識的には不可能と言われてきたものだった。




新敏製革所

ならばと協力を仰いだのが、新敏製革所の新田さん。


新田さんは、1000年続く日本古来の伝統技法である白鞣し(原皮を塩となたね油だけで鞣して白く仕上げる手法)を現代に唯一継承する、知る人ぞ知る伝説的な職人。

この白鞣しという技法は、国宝・世界遺産である正倉院に収蔵されている革製品に使われていて、新田さんの技術は高松塚古墳壁画『飛鳥美人』の修繕などにも活かされるなど、タンナーとしての枠を超え、日本の歴史的な文化財を修復する分野でも必要不可欠な方。


そんな世界的に名の知れた新田さんが多忙を極める中、KIGOのモノ作りに対する姿勢に共感してくださり意気投合。新田さんの技術によってブルハイドレザーの ” 白いヌメ革 ” を作っていただけることになった。




KIGOらしさも

作ることができないはずだった白いブルハイドレザーが実現したとなれば、そのレザーに恥じない仕事をしたいというのがモノ作りに携わる者の性というものだろう。


持ち手と底部分はネイビーに、そしてLightning 30th を記念したレザーパッチは落ち着いたレッドに、われわれKIGOの工房で調合した染料で丁寧に手染めを施した。専用の機械で染料を噴霧するのとは違いムラはあるものの、革表面から芯に向かって深く色を染み込ませるため、色は長持ちし深みは増す。

しかも何より染める革が白いため、驚くほど色に透明感があって発色が美しい。

Lightning誌らしいアメカジトートバッグを、新敏製革所の協力を得て、KIGOにしかできないバッグが完成した。




通常レザーバッグでは避ける縫製工程をあえて選択、あのトートバッグの作りを踏襲した。


新田さんも初めてというブルハイドレザーの白タンニン鞣し。ブルは少しクリーム色がかって仕上がった。


厚すぎるブルを2ミリほどに割る際、鋼鉄製の刃を研いだ鉄粉と化学反応して黒くなる。鋼鉄製の刃でもブルハイドレザーを斬るのに手こずるほどに強靭であることを証明するこの痕跡は、汚れとして忌避する必要はないだろう。


革表面にも黒い細かい点が入るが、これも同じ理由によるものだ。


底部はKIGOが別注するアンティーク感を醸し出すコッパーメッキのリベットでとめる。




【サイズ】

M:縦30 × 横33 × マチ15cm

L:縦38 × 横43 × マチ16.5cm


こちらは期間内にオーダーいただいた方のみ購入が可能。

Lightning誌のオンラインストア " Club Lightning " で、ぜひご予約ください。

バッグのお届けは、少々お待たせします。


【購入期間】〜2024年10月9日(木)まで

【配送時期】2025年2月中旬頃お届け予定


前代未聞の白いブルハイドレザーで作った記念すべきトートバッグ、是非手に入れてください。

RECENT POSTS
bottom of page